Bu2 yao4 diao4 si3 zai4 yi4 ke1 shu4 shang0.
以前、大学の研究室で勤務していた時。中国人教授の事務を担当していた。
ゼミの生徒さんは99%が中国人留学生。勤務期間が長くなるにつれ、彼らとの交流は深まり、
特に用事がなくても、私と雑談をするために研究室に来てくれる、そんなうれしい間柄になっていった。
1年生はまだ時間があるからいい。学年が進み、卒業を控えた年になると、みんな忙しくなって、就職活動やらゼミの準備、バイトもあって、研究室へ遊びに来るどころではなくなる。
そんな中でも、教授に進路に関する相談がある時は、大抵場所は研究室。留学生から先生との面談希望を受けると、まずは先生の都合を聞いて、その都合に合わせて留学生と先生が研究室に集まる(この決まり方には、大学もサービス業だという観点から見ると、少々違和感を覚える)。
あまりにも込み入った話になりそうな時は、そっと席を外すが、大抵は私はそのままデスクで仕事を続ける。
ある日も、留学生と先生が、研究室に訪れた。とある留学生がなかなか仕事が見つからず、就職活動でビザの延長を入国管理局に申請するため、書類に先生のサインが必要なのだ。
先生は、サインをしながらこう言っていた。
”不要吊死在一颗树上。”
自分が考えている進路は一つに絞らず、希望していた会社がダメなら別の会社にトライを、会社でなくても別の働き方もある・・、柔軟性を持って先を見ていきなさい。
一つのことを極めるには時間がかかり、あれもこれもと気を多くしていては何も達成できない、一つのことに集中して取り組め、という考え方もある。その一方で、人生は有限。このフレーズのように、あらゆる可能性を視野に入れていく柔軟性も必要。 留学生と一緒に、横でふむふむとうなずきながら、話を聞いていたのであった。